「Vision やるべきこと」

紙を無駄にしないため、森林資源を守るために必要なことは、はじめからリサイクルすることだけではありません。私達は、紙を使った印刷物を提供する側として、印刷の企画、デザイン、生産の間に大量に使われている紙の無駄を減らすことがCO2削減に大きく寄与すると思っています。

「ストップ・温暖化-デザイン・印刷業界にモラルと新しいルールを」

世界における紙の生産量は約3億トン。日本はアメリカ、中国に次いで世界3位の製紙大国です。紙の消費量も世界7位で、国民1人あたりの年間消費量は約240kgにのぼり、世界平均を4倍以上も上回っています。
地球温暖化が進むなか、日本は京都議定書により2012年までに1990年比でCO2排出量の6%を削減しなければなりません。そして、紙製品を扱う印刷業界は全産業の中でも、最も二酸化炭素排出量が多い業界の一つと言われていることからも、日本における紙の過剰な生産、消費活動がもたらす森林伐採と、それが引き起こす地球温暖化という環境問題に対し私たちが今何ができるのかを真剣に考え、できることを実践していかなければなりません。
私たちNPO法人クリーン・プリントは、商業印刷物やパッケージなどの紙メディアによる商品をお客様にお届けすることを職業とするデザイン、印刷業界の有志により2008年8月に設立され、印刷業界として地球温暖化防止のために何ができるかということを真剣に議論しました。
そして、私たちは、紙の無駄使いを減らす責任を持つ立場として、「印刷物の企画・制作から印刷までの間に使われることなく捨てられてしまう紙を削減し、資源を守ること」、「捨てられない価値のある印刷物を作ること」という2つのことが、地球環境保護のための最重要課題であるということを再認識しました。
つまり、無駄なものを作らない、捨てない、捨てさせない。3Rの法則(リデュース、リユース、リサイクル)の中の「リデュース(減らすこと)」を実践し、デザイン・印刷業界が「無駄なものを作らない」ことが、森林資源の保護、地球温暖化対策への第一歩だと思うのです。なお、一般的に印刷会社で使われている4色印刷機で捨てられてしまう紙の量は、カタログ5000部に対し、おおよそ200枚~300枚に相当します。これは、色合わせ・見当合わせといった品質チェックのための作業や、その他の品質レベルチェックによって起こるものです(このように捨てられる紙のことを、「損紙」といいます)。また、年間のインパクトは、1台の印刷機を持っていて、多い会社では約300トン、木の本数にして約5000本弱の木が伐採されていることになります。
もちろん、個人個人によるリサイクルなどの取り組みも重要です。しかし、ちょっと視点を変えて見てみると、新聞や雑誌のリサイクルによって、古紙を再生し、再生紙を使うことが必ずしも環境にベストかというと、そうではないようです。2008年に露呈された古紙配合率偽装問題からも分かったように、古紙100%の再生紙の製造は技術的に難しいということ、紙はリサイクルを繰り返すことで品質が低下し、3~5 回が限界ということ、そして、再生紙はピュアパルプよりも化石燃料由来のCO2排出量が多いということからもリサイクルの有効性が問われています。